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高機能性塗料設計技術 ソリューションパートナー

高機能性塗料コラム

  

 第23回、モノづくりにこだわるエンジニア!?

 

 

投稿日:2020/1/27

こんにちは。「こんな塗料できないの?」に私たちが答えます。

高機能性塗料設計技術ソリューションパートナーの上窪です。

先月から2回にわたっての高機能性塗料コラム

「自動車はダイエット中!?~自動車内装部品におけるPPフィルムとそのコーティング剤について~」の2回目をお届けします。

 

 前回はPPフィルムについてお話しさせていただきましたが、

今回はこのPPフィルムに塗るコーティング剤についてお話しさせていただきます。

  

〇MADE IN JAPANの加飾フィルム?

 前回はPP素材による加飾フィルムのメリットについてお話しさせていただきましたが、もちろん良いことばかりではありません。

PP素材には“密着し難い”、“比較的熱に弱い”、“耐候性が悪い”というデメリットがあります。

 また、このPPフィルムはある程度の耐擦り傷性、耐薬品性は有しますが、

日本のモノづくりエンジニア達はそれをよしとはせずに、より高い水準の耐擦り傷性、

耐薬品性を追求しています。こういうところは良くも悪くも“日本っぽい”と私は思います。

 皆さんも買い物をする時に“日本製”ということを気にしたりしませんか。

そして“日本製”であると何となく“高品質”、“安心感”という良い印象を持つ方が多いのではないでしょうか。

そのような良い印象を壊さないためにも、日本の自動車メーカー設計者達は最高性能の材料を

選択する傾向が強く、自動車部品メーカーやプラスチックフィルムメーカー、

そして我々塗料メーカーもハイスペック材料について日夜研究開発に励んでいる次第です。

  話は少し横にそれましたが、PP素材による加飾フィルムには、PPが本来有する性能以上の

耐擦り傷性・耐薬品性と、特に自動車用途への適用においては、内装用といえども耐候性が必要なのです。

 

   

 

〇塗料メーカーはPP素材が嫌い?

 このような課題を解決する場合、塗料メーカーとしては、耐擦り傷性、耐薬品性、耐候性が良好な

ハードコートをPP素材に塗ることを考えます。それもPP素材は“熱に弱い”というデメリットがあるので、

 特にフィルムコーティング分野においては、熱硬化型ではない“UV硬化型(※)”の

ハードコートで課題解決を試みます。

(※)UV硬化塗料は、その組成にもよりますが、一般的には、100℃-10秒の予備乾燥と

   UV照射 1秒程度の条件で硬化させることが可能ですので、PPのようなプラスチックに加え、

   紙や木等の熱をかけたくない基材への塗装を得意としています。

 

 しかし、現実はそう甘くありません。このPP素材は“密着し難い”という塗料メーカー泣かせの性質も

持ち併せているのです。

PP素材に密着する樹脂材料は、世の中にいくつかありますが、密着性が良好で、かつ高水準の耐擦り傷性、

耐薬品性を示すものはほとんどありません。そこで、当社が提案するソリューションは、

“UV硬化型プライマー”を用いて上塗りハードコート層と機能分担することです。

 すなわち下図で示したように、密着性が悪いPPフィルムにも密着するUV硬化型プライマーの上に、

耐擦り傷性・耐薬品性・耐候性等が良好な上塗りハードコートを重ねることで、

PP素材の加飾フィルムに耐擦り傷性・耐薬品性・耐候性を付与できないかとの提案です。

 

 今回は、この用途向けに当社が開発したPPフィルム用UV硬化型プライマーについてご紹介します。

この開発において私が最も困難を感じたことは、やはりPP素材と上塗りハードコート層の両方に

プライマー層を密着させることでした。PPは非常に極性が低く、塗膜を密着させるには

分子間相互作用の観点から樹脂も低極性のものを選ぶことが必要となります。

(詳細な密着のメカニズムについては第4、5回のコラムをご覧ください。)

・第4回、密着性で困った経験はありませんか?

・第5回、コロナ等の前処理がいらないプライマーって??

 しかし塗膜全体が低極性となってしまっては、上塗りのハードコート剤は残念ながら密着しません。

従ってプライマー塗膜の表面はハードコート剤が密着し易いように極性を高くする必要がありますが、

それを特に速硬化性のUV硬化型塗料で達成することは難しく、400パターン以上の試作を繰り返して、

ようやく満足するUV硬化型プライマーを得ることが出来ました。

 また、加飾成型に用いるプライマーなので、当然プライマー層自体にも延伸性・柔軟性が必要となりますが、

UV硬化型プライマーの上にUV硬化型ハードコートを塗り重ねるためには、

プライマー層が硬化していることが前提となるため、UV照射後の延伸性が重要となります。

 当社のPPフィルム用UVプライマーは、800mJ/cm2(高圧水銀灯)照射後でも

延伸性100%以上を確保しており、加飾成形の複雑な形状にも十分対応可能なレベルとなっています。

プライマー層の塗膜イメージを下図に示します。

 

 

 

 下記の表に、UV硬化型プライマー:TOMAX NXD-009Pと、

上塗りハードコート:TOMAX NXD-001の組み合わせによるPPフィルム上の塗膜性能を示します。

 上塗りハードコートだけでは全く付着しないPP素材に対しても、UV硬化型プライマーを適用することで、

PP密着性・延伸性・耐擦り傷性・耐薬品性を高いレベルで達成することが出来ました。

なお、複層膜の耐候性評価については確認中です。

 

 

  なお、詳しい資料等は下記よりダウンロードが可能となっております。

「加飾フィルム用コーティング剤/PPフィルム用UVプライマー」

  以上2回にわたって「自動車部品におけるPPフィルムとそのコーティング剤」について

 お話しさせていただきました。

  このコラムを読まれて、PPフィルムへの密着性でお困りの方、またこれからPPフィルム向けに

 コーティング剤をご検討予定の方は、ぜひ当社へお気軽にご相談ください。心よりお待ちしております。

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