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高機能性塗料コラム

 

 第20回、ハクがあるのにキレがある!?

 

投稿日:2019/10/23

  

 こんにちは。「こんな塗料できないの?」に私たちが答えます。

高機能性塗料設計技術ソリューションパートナーの迫田(さこだ)です。

 

 前回のコラムでは熱転写箔の用途や機能について解説いたしました。

 今回は、熱転写箔の表面保護層に用いられる熱転写箔用コーティング剤について

解説させていただきます。

 

 多彩で鮮明なデザインを表現することができる熱転写箔ですが、傷がつく、

すぐ剥がれるなど、耐久性がないと、商品価値を高めるために熱転写箔を

使ったはずが、反対に商品の価値と信用を低下させてしまいます。

そのため、熱転写箔の表面保護層には、印刷層の保護のため製品の用途に

合わせた機能性をもつコーティング剤が使用されます。

 使い捨てされる消耗品や、紙器に使用される熱転写箔に高い機能性を要求

されることは少ないですが、

自動車部品や化粧品ボトルの用途には多くの機能性をもたせることが必要です。

例えば耐水性、耐湿性、耐溶剤性、耐薬品性、耐汗性など、

多くの項目で高水準が求められ、特に化粧品容器の用途には高い耐薬品性が求められます。

 

女性の方ならわかると思いますが、お化粧をする際には、複数の化粧品を使い分けることが多く、

化粧品が付いた手で容器を触ることは日常よくあることです。化粧水、乳液、下地、ファンデーション、

口紅、日焼け止めなど、これらの化粧品に対応するすべての耐薬品性が必要とされます。

 

 当社の熱転写箔用コーティング剤は、耐化粧水性、耐乳液性をはじめ、

特に厳しいとされる耐日焼け止めオイル性も良好です。

当社のコーティング剤は高分子量のポリマーと架橋成分による緻密な網目構造形成により、

化粧品に含まれる低分子成分の塗膜浸透を抑制することで、表面保護層としての役割を果たします。(図2)

耐熱性や耐温水性などの熱に対する物性が必要な用途には、ガラス転移点(Tg)が高いポリマーを適用します。

 

 

 さらに、熱転写箔の重要な機能の1つとして「箔切れ性」と呼ばれる特殊な要求機能があります。

熱転写箔は加熱、加圧した部分が被写体へ転写されますが、箔切れ性の良いものは境界で綺麗に剥離します。

箔切れ性の悪いものは境界部分が接着剤に引っ張られて、加熱、加圧していない部分まで転写されてしまい輪郭がぼやけます。(図3) 

特に表面保護層は離型層と隣接し、転写する際の剥離界面となるため箔切れにかかわる影響は非常に大きく、

柄・パターン転写のように繊細なデザインを転写する構成には、優れた箔切れ性が求められます。

 表面保護層の箔切れ性を向上させる方法としては、離型層との密着性を上げて剥離強度を重くする方法と、

表面保護層を脆くして膜切れしやすくする方法があります。どちらの方法も一長一短があり、

剥離強度を重くすることで境界部分は切れやすくなりますが、転写させたい部分が離型層から剥離しづらく

転写できなくなったり、脆くするために低分子成分を増やすことで耐化粧品性が悪くなったりしますが、

当社の熱転写箔用コーティング剤は、組成(フォーミュレーション)の最適化によって、優れた耐化粧品性と

箔切れ性を有します。(表1)

 

 

 

 熱転写箔は、あらかじめ様々な絵柄やパターン、特殊装飾を施すことができるため、

塗装代替の転写フィルムとして、日用品、化粧品に限らず適用範囲が拡大しています。

今後、より多様化するニーズに対応するため、さらなる機能向上と環境に配慮した製品開発をしていきます。

 今回ご紹介したものは耐化粧品用途の熱転写箔用コーティング剤になりますが、その他の用途や、

機能を持たせたいなど、表面保護層だけでなく離型層なども含めて、転写用のコーティング剤でお困りの際には、

ぜひ当社へご相談ください。

 

 以上、熱転写箔の表面保護層に用いられるコーティング剤についての解説と、

当社製品の紹介をさせていただきました。最後までお読みくださいまして、誠にありがとうございます。

 次回は、高機能性材料部の大久保より、前回問い合わせの多かった熱硬化型の非シリコーン系離型コーティング剤の続編として、UV硬化型の離型コーティング剤について解説いたします。

 

次回もお楽しみに。

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