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高機能性塗料コラム

 第40回、転写させることで・・・

投稿日:2022/1/23

こんにちは。「こんな塗料できないの?」に私たちが答えます。

高機能性塗料設計技術ソリューションパートナーの遠竹(とおたけ)です。

2022年最初のコラムとなります。本年もよろしくお願いいたします。

 

 早速ですが、当社はこれまでに「加飾成形用コーティング剤」について

何度かコラムで触れてきました。

第10回、パソコンも自動車も飾り付けが大事。

第11回、硬いのに伸びる。そんなのできるの?

第17回、塗装から貼るへ

第22回、自動車は現在ダイエット中!?

第23回、モノづくりにこだわるエンジニア!?

「加飾成形」と一口に言っても、樹脂成形と同時に加飾したり、

出来上がった成形品に加飾フィルムを貼り合わせたりと、いろいろな方式があります。

今回はそんな加飾成形の中でも「転写」技術にフォーカスして、解説して行きたいと思います。

 

○加飾成形転写技術とは?

 加飾成形は図1の通り、大きく4つに分類されます。インモールドやインサート成形といった

樹脂成形と同時に加飾をおこなう「一次加飾」とTOM成形など樹脂成形後に加飾をおこなう

「二次加飾」に分かれ、それぞれ「貼合」と「転写」があります。

 

二次加飾の貼合方式「OMF(Out-Mold Forming)」の場合は、フィルムを成形品に直接貼り合わせるため、

表面に凹凸意匠等を施したフィルムの触感や質感も活かすことが可能ですが、

成形後に余分なフィルムをカットする「トリミング工程」が必要となります。

 今回、ご紹介する「加飾成形転写方式(OMR:Out-Mold Release)」は、成形品に転写させた後、

離型フィルムを剥離するため、貼合方式よりも凹凸意匠付与の自由度は低くなりますが、

成形後の「トリミング工程」が不要となります。

 ここからは、加飾成形転写(OMR)方式において、

図4の①②③④の層に適用できる当社コーティング剤の特徴について解説します。

 

○当社が提案する加飾成形転写技術

 

①剥離強度を自由にコントロール可能!〜TOMAX FS-9200N/L〜

今回提案する「加飾成形転写技術」は当然のことながら、加飾層を「転写」させた後に、

離型フィルムを剥がせることが必要です。加飾層の最上層となるハードコート層には

「2液硬化型」や「UV硬化型」など様々なタイプがありますが、

ハードコート層によっては剥離性が異なり、剥がれ難いこともあります。

当社の提案する「FS-9200N/L」は、重剥離タイプの「9200N」と軽剥離タイプの「9200L」を混ぜることで、

どのようなハードコート層に対しても求められる剥離強度にコントロールすることが可能です。

また、シリコーンやフッ素を使用していないので、

転写後の加飾層にシリコーン起因の悪影響を与えることもありませんし、

また、転写後のハードコート層に対して、さらに上塗り層が施されるような仕様の場合でも、

その上塗りが可能となります。

 

②経時(熱による促進試験)でも伸びるんです!〜TOMAX FA-3444-2〜

 当社の加飾成形ハードコートは耐薬品性などを考慮し「アフターキュア型」と呼ばれる、

成形後にUV照射して硬化させる方式を採用しております。アフターキュア型の課題として、

かねてより「アフターキュアは時間が経過するとクラックが入る」とか、

「蛍光灯下に置いておくと伸びなくなる」と言われておりました。

特に熱による促進試験(110℃×24時間)は厳しく、初期は100%以上伸びますが、

促進試験後は30%も伸ばすとクラックが発生します。当社が開発した「FA-3444-2」は

熱による促進試験後でも、従来品の倍以上延伸することが確認できております。

(初期に比べて延伸性が低下するのは、基材が劣化したため、延伸時に塗膜ではなく基材が破断するためです)

  

③ハードコートへの密着性、印刷も蒸着も出来ます!〜TOMAX FS-1040〜

どんなに良いハードコートが出来ても、それに密着し、印刷・蒸着層との密着においても

仲立ちとなるプライマーがなければ加飾層としては完成しません。当社が開発したFS-1040は、

本加飾転写方式の仕様において上層となるハードコートとはもちろん、

下層となる印刷や金属蒸着層との密着性も良好です。

(なお、機能性プライマーと称している所以は、表1に示すとおり、

 各種プラスチック基材に対してのプライマー密着性も良好なため)

 

④接着剤だからハードコートの硬度が活かせます!〜TOMAX FS-6100〜

加飾成形転写で一番むずかしいのは、「接着剤」。従来の真空圧空成形では、

軟らかい「粘着剤」が使用されますが、20μmぐらいの厚膜にしないと十分な粘着性が得られません。

この軟質で厚膜の粘着剤層の影響によって、せっかく鉛筆硬度の高いハードコートを上塗りしても、

複合膜としての硬度が低下してしまいます。

「FS-6100」は、薄膜(2μm程度)でも基材と接着する「接着剤」としての設計であり、

厚膜の粘着剤ゆえの複合膜としての硬度低下がなく、素材の硬さやハードコート本来の塗膜硬度を活かせます。

 

 いかがでしたか。今回は加飾成形転写方式の特長について、

当社コーティング剤を絡めながら紹介いたしました。

 なお、本コラムで解説したコーティング剤は、1月26日から三日間、東京ビッグサイトで開催される

「新機能性材料展2022」に出展いたします。

 当社では昨年、加飾成形機を導入しており、お客様と共同で加飾成形用コーティング剤の開発も

おこなっております。IMF,IMR,OMF,OMR問わず、加飾成形でお困りの案件がございましたら、

ぜひ当社にご相談ください。 

 

それではまた次回。

 

 

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