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高機能性塗料設計技術 ソリューションパートナー

高機能性塗料コラム

  

 第27回、「カラークリヤー」って繊細なんです。NEW

投稿日:2020/5/18

 

 こんにちは。「こんな塗料できないの?」に私たちが答えます。

高機能性塗料設計技術ソリューションパートナーの辻です。

 

 前回コラムの「第26回 くるまの目にもお化粧を」では、

自動車ヘッドランプなどに適用されているコーティング剤の一つである

真空蒸着用カラートップコートに関して、

その塗装においての不具合事例についてのお話しをいたしました。

「第26回 くるまの目にもお化粧を。」

 今回のコラムでは、不具合事例の解決手法の解説を行い、

それら不具合事例の解決製品である当社の真空蒸着用塗料

『BRIGHT』カラートップコートのラインアップ紹介もさせていただきます。

 

◇色むら抑制

 車の顔を決めるヘッドランプには、様々な意匠を付与できるカラートップコートが

用いられることを前回のコラムで説明いたしましたが、

このカラートップコートは、アルミニウムなどの金属蒸着面にスプレー塗装して焼き付ける

熱硬化型コーティング剤であり、金属蒸着の鏡面意匠性を生かすために

“隠蔽しない着色”を行う「カラークリヤー」であることが特徴となります。

そのため膜厚むらが色むらに直結しやすく、とても塗装の難しい塗料です。

 そこで当社は、顔料の分散状態および塗膜の表面状態に着目して検討を行った結果、

着色成分である顔料の分散安定性を向上させるとともに、塗膜の表面張力を低く調整することで(図1)、

顔料凝集と塗膜表面の平滑性を改善し、色むらを発生しづらくした

『BRIGHT T20シリーズ』を開発しました。(図2)

表面張力を低く調整したことで、金属蒸着面の汚染物に起因するハジキに対する抵抗性も有します。

 

 

 

◇干渉縞抑制

 色むら抑制のために、表面平滑性が非常に高い塗膜を形成させた場合、

透明性の高いカラートップコートでは、トップコート表面で反射した光の波長と、

塗膜下の金属蒸着面で反射した光の波長が重なり合って生じる虹現象

「干渉縞」が発生することがあります。

「干渉縞」発生の原理については、図3で示すように、

薄膜かつ光の波長レベルで非常に平滑なクリヤー塗膜の場合、

塗膜表面で反射する光と塗膜を透過してアルミ蒸着面で反射した

光の波が重なり合って特定の波長が強められたり弱められたりします。

光の波長(約380~770nm)によって強弱の程度が異なり、

シャボン玉のような模様が見えることがあります。

この現象を「干渉縞」といいます。解決の考え方としては、

光の波長レベルでの微小な表面凹凸を与えたり、

屈折率の異なる材料を添加したりして、反射光の波長が重なり合って強め合わない様にすることが有効です。

当社は、干渉縞が出にくく、かつ高い透明性を有する

BRIGHT T50シリーズを開発し、好評をいただいております。

 

 

◇基材変形によるクラックの抑制

 燃費向上のためのヘッドランプ軽量化によって、レンズの基材は、昔のガラスからプラスチックへと変わり、

蒸着用塗料が塗装されるエクステンション(意匠部品)のプラスチック成型基材も薄肉化されてきました。

その結果、ランプ組立ラインでの基材変形が、従来の厚肉基材よりも大きくなり、

その基材変形に追従できない塗膜は、クラックが発生するようになりました。

これに対しては、カラートップコートの原料成分の分子量や架橋度調整によって、

塗膜の伸び率を向上させることに加え、ゴムのような働きをする軟質成分(セグメント)を導入することで

変形によるクラック発生を抑制することができました。(図4)

この製品は、耐衝撃性改善グレード『BRIGHT T70シリーズ』として、好評をいただいております。

 ◇さいごに

 ヘッドランプ用の真空蒸着塗料『BRIGHT』カラートップコートシリーズは、

お客様のご要望(ランプとしての進化、生産性の向上)に対して、一つ一つ改善を重ねることで、

ランプ用コーティング剤としても進化し続けてきたと自負しております。

表1に、真空蒸着用塗料『BRIGHT』カラートップコートの熱硬化型のラインアップを示します。

 これら蒸着用カラートップコートはヘッドランプ用途以外にも、

真空蒸着の鏡面意匠を活かした家電や遊技器具の部品向けなどにご使用いただいております。

 

 

 また、熱硬化型だけでなく、より省エネルギー・省資源型の環境配慮型コーティング剤といえる

UV硬化型カラートップコートの品揃えもあります。

高生産性(秒単位で硬化)に関するご要望や、特に耐熱性のない基材向けには、うってつけのコーティング剤です。

ご興味があれば、熱硬化型のシリーズともども、是非、当社へお問合せください。

 自動車のヘッドランプは、さらに進化し続けており、すでにLED光源が多くの車種で採用されています。

また、レーザー光源による路面への映像投射機能を備えた「ディスプレイ兼用照明装置」も提案されています。

 我々コーティング剤メーカーはこれからも、ヘッドランプの進化に合わせて要求される

様々な機能性やライン適合性などの課題に対し、高機能性塗料設計技術ソリューションパートナーとして、

お客様とともに課題に向き合い解決していきたいと思っています。

 

 以上、『BRIGHT』カラートップコートについて解説させていただきました。

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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