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高機能性塗料設計技術 ソリューションパートナー

高機能性塗料コラム

 第11回、硬いのに伸びる。そんなのできるの?

 

 

 

投稿日:2019/1/21

  

「こんな塗料できないの?」に私たちが答えます。

高機能性塗料設計技術ソリューションパートナーの上窪です。

前回は加飾フィルムについてお話しさせていただきましたが、

今回はこの加飾フィルムに塗るコーティング剤についてお話しさせていただきます。

 

◯加飾フィルムにコーティングする意味って?

 加飾フィルムにコーティングする最も大きな理由は、

ずばり「傷を付き難くするため」です。

例えば、ずっと欲しかったスマホが中古で2台売られているとします。

1つは新品同様の3万円のモノ、

もう一つは同時期の製造だが傷が目立つ2万円のモノだったとき、

皆さんならどちらを購入しますか。

 私は、購入後も大事にして、きれいなものを長く使いたいという想いが強く、

迷わず3万円のモノを選びます。特に日本人は傷を気にし過ぎる傾向があり、

スマホカバーの普及率の高さや、自動車の傷に対する神経質さなどからも

それを実感することが度々あります。

つまり、日本人に対して「傷を付けない、付き難くする」ことは非常に価値があり、

加飾フィルムにこの価値を付けるためには、コーティング剤が必要なのです。

 

 では、加飾フィルムに用いられる傷に強いコーティング剤としては、

どのようなものが適しているのでしょうか? それは紫外線硬化型のコーティング剤です。

なぜなら、紫外線硬化型のコーティング剤は低温で液が固まるため、

熱に弱い加飾層(印刷、蒸着膜)には非常に適しているからです。

そのうえ、紫外線硬化型は熱硬化型と比べて短時間で硬化するので生産性が高く、

コスト低減も可能となります。

 そして、傷に強い紫外線硬化型のコーティング剤のポイントは、

コーティング膜の架橋密度を高くすることと、硬い粒子をなるべく多く入れることです。

このポイントを押さえながら、各種物性を調整することで非常に硬いコーティング膜となり、

テーバー摩耗試験やスチールウールによる擦り傷試験などに耐える

「傷が付き難いフィルム」ができるのです。

 

◯耐擦り傷性だけが良ければいいの?

 そのような、高架橋密度で無機系高硬度微粒子を含有した

有機無機ハイブリッド系コーティング膜は、耐擦り傷性に優れており、

傷が付き難くて良いのですが、加飾フィルム用としては問題があります。

前回のコラムでお話しいたしました通り、加飾フィルムの施工には成形工程が入るため、

せっかく耐擦り傷性の良いコーティング膜を加飾フィルムに処理しても、

成形工程で曲げたり伸ばしたりすると、コーティング膜が硬過ぎるため、

下の写真の様に、ひび割れだらけの状態になってしまいます。

一般に、自動車の内装や、家電製品の部品などに用いられている加飾フィルムには、

200%以上伸びることが要求されていますが、この耐擦り傷性が良いコーティング膜は、

硬過ぎて、せいぜい10~20%程度しか伸ばすことができません。

 

それでは、どのようにすれば良いでしょうか?

 

答えは「コーティング剤を硬化させる前に成形し、成形後に紫外線照射して硬化させる」です。

コーティング剤のタイプとしては、”アフターキュア型”となります。

(一方、硬化させてから成形するタイプを”プレキュア型”と呼びます。)

 

ただし、コーティング膜が「べたべた」していては、まともに加飾成形はできません。

そこで、僅かな加熱乾燥でコーティング膜が「べたべた」しなくなるように

コーティング剤を設計する必要があります。そのためには、コーティング膜の乾燥性と、

乾燥膜の粘着性・離型性のコントロール技術がポイントになります。

 

また成形工程では、基材フィルムの変形に追随してコーティング膜が変形することが必要です。

そのためには、乾燥膜の基材密着性や、加熱時の変形に耐える凝集力のコントロール技術がポイントとなります。

そして、成形後の紫外線照射でしっかりと固まり、耐擦り傷性や日焼け止めクリームなどへの

耐薬品性を発現させるための硬化性/架橋性コントロール技術も加飾成形用コーティング剤を設計する上で

重要な要素技術となります。

 

以上2回にわたって「加飾フィルム用のコーティング剤」について解説させていただきました。

より詳しい塗膜性能データについては、アフターキュア型の標準製品「TOMAX FA-3127」を含めた

当社の製品カタログをこちらからダウンロードできます。ご参照ください。

また、さらに新しいラインナップ品である「TOMAX NXDシリーズ」を1月30日から2月1日まで

東京ビッグサイトで開催される「コンバーティングテクノロジー総合展」の「新機能性材料展2019

に出展します。ご期待下さい。

 

当社では、上記のような様々な要素技術を駆使して、

お客様のご要望に合わせたコーティング剤のカスタマイズも可能です。

加飾フィルムの耐擦り傷性でお困りの方、加飾フィルムの付加価値UPをご検討の方は、

どうぞお気軽に当社までご相談ください。お待ち致しております。

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