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高機能性塗料設計技術 ソリューションパートナー

高機能性塗料コラム

  

 第25回、"ぎらつき"の原因は粒子の大きさが関係してるんです!

 

 

投稿日:2020/3/17

 こんにちは。「こんな塗料できないの?」に私たちが答えます。

高機能性塗料設計技術ソリューションパートナーの清水です。

 

 今回もディスプレイへの外光の映り込み防止のために用いられる

アンチグレアタイプの防眩フィルムと“ぎらつき”についてお話しします。

 この防眩フィルムには、アンチグレア層としてフィルム表面にアンチグレア

コーティング剤が塗装されており、このアンチグレアコーティング剤(膜)によって、

“ぎらつき”の良否が決まります。

 (アンチグレアコーティング剤は、一般的にはAGコーティング剤とも呼ばれています。)

 

 また、近年ディスプレイは、高精細化だけでなく、屈曲・湾曲形状など、

防眩フィルムにも成形追従性が要求される複雑なデザインのものが開発されており、

このようなディスプレイ向けのアンチグレアコーティング剤には “ぎらつき”に加えて

成形性(延伸性)も求められています。

 つまり、延伸前だけでなく延伸後も“ぎらつき”が発生しないことが必要となります。

※成形性(延伸性)については、下記コラムをご覧ください。

 第10回、パソコンも自動車も飾り付けが大事。

 第11回、硬いのに伸びる。そんなのできるの?

 第22回、自動車は現在ダイエット中!?

 第23回、モノづくりにこだわるエンジニア!?

 

“ぎらつき”の原因は、図1に示すように、アンチグレアコーティング膜の粒子がレンズのように働き、

コーティング膜に入ったディスプレイの光の散乱によるものと考えています。

そのため、“ぎらつき”の抑制には粒子の粒径(大きさ)などのコントロールが重要となります。

 

      (参考、第9回コラム:スマホを見ていて目が疲れませんか?

 

そこで今回は、“ぎらつき”の原因解析として

① 粒子の大きさと“ぎらつき”

② 塗膜の延伸と“ぎらつき”

についてモデル実験を行った結果を解説していきます。

 

 実験に用いたアンチグレアコーティング膜は、微粒子を分散させたUV(紫外線)硬化型コーティング剤を

PETフィルムに塗布後、UVを照射・硬化させて作製したものです。

得られた塗膜の“ぎらつき”評価は、iPad(画面解像度264ppi)上にフィルムを乗せて、目視評価に加え、

前回コラムと同様にJIS C1006 1)準拠の装置SMS-1000 2) を用いて、ぎらつき値を測定しました。

 

① 粒子の大きさと“ぎらつき”

アンチグレアコーティング剤に添加するポリマー微粒子の大きさを変えた実験結果を図2、3に示します。

粒子の粒径が大きくなるにつれてぎらつき値も大きくなり、“ぎらつき”が増しているのが確認でき、

目視評価の結果と一致します。

 

 

 

 

 

小粒径の粒子を用いた塗膜の輝度分布画像(図3左)を見てみると、表面に微細な凹凸形状が形成され、

ディスプレイ光の輝度のばらつきがほとんど見られません。

使用した粒子が大きくなる(図3中央、右)につれて、画像の輝度ばらつきが大きくなり、

光が不均一散乱していることが分かります。

 

② 塗膜の延伸と“ぎらつき”

次に、シリカ微粒子を分散したアンチグレアコーティング剤を用いて、延伸と“ぎらつき”の関係について

実験を行いました。

図4は、アンチグレアコーティング剤塗装フィルムを延伸した時の“ぎらつき”を測定したものです。

(延伸は、130℃で行っています。)

 

塗膜を20%延伸してもぎらつき値とヘーズ(注)は変化せず、延伸後も塗膜外観がほとんど変わっていませんが、

延伸率が30%を超えるとどちらもわずかに上昇しています。

 (注)ヘーズ:JIS K 7136準拠にて測定。拡散透過率/全光線透過率×100で求められ、

 プラスチックの曇り度合いを測定する方法。数値が高いほど、透過光が拡散し曇っている。

 

これは、塗膜を延伸していくにつれてアンチグレアコーティング膜が薄くなり、塗膜中の粒子が頭出しの程度が

増したためと考えられます。

 

 

 しかしながら、30%延伸後もぎらつき値は約5%であり、目視評価でも〇レベルとなっています。 

これら結果より、“ぎらつき”は粒子の粒径に影響され、また塗膜表面に頭出しした粒子によっても、

“ぎらつき”が助長されていることが確認できました。

 即ち、“ぎらつき”の抑制には、粒子の粒径の選択や粒子の頭出し状態のコントロールが重要であると言えます。

また、この評価方法を用いることで、延伸による“ぎらつき”の変化など、目視では判定できないわずかな

“ぎらつき”の差も分かるようになります。

 

 この実験の結果を元に開発した“ぎらつき”を抑制したアンチグレアコーティング剤については、

こちらをご覧ください。

 

 上記以外にも様々なアンチグレアコーティング剤を開発しています。

“ぎらつき”だけでなく、「こんな塗料できないの?」というご要望がありましたら、

お気軽にお問い合わせください。

 次回は高機能性材料部の辻より、ヘッドランプ等に使用されるカラークリヤーについて解説します。

ご期待ください。

 

<参考文献>

1)  JIS C 1006(2019)、ディスプレイのぎらつき度合の求め方

2) “事業内容 | アフロディ株式会社”、アフロディ株式会社ホームページ(参照 2020/2/3)

   

 

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